水の抵抗について
- 2021/12/4
- 流体力学的視点
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競泳は、水の中を泳ぐスポーツです。
私たちは水中を動くとき、陸上と違って動きづらいと感じることがあります。陸上との違いはどこからくるのでしょうか。
ウォーキングについて陸上と水中の違いを考えると、いわゆる「抵抗」(流体力学でいう抗力、抵抗力)が問題になります。
陸上では空気の抵抗があるのに対し、水中では水の抵抗があります。
つまり、空気の抵抗と水の抵抗を比べると、水の抵抗のほうが大きいので動きづらくなります。
■抵抗について
抵抗について詳しくみてみます。一般的に抵抗は次の式で表されます。
抵抗=1/2×密度×速度の二乗×断面積×抗力係数
□密度
水の密度は空気の約800倍なので、その分抵抗も陸上に比べて大きいです。水中と陸上のウォーキングを比べて、歩き方が全く同じだった場合、水と空気の密度の違いがこの抵抗に影響を与えます。
□速度
一般的には速度の二乗に比例して抵抗が大きくなります。つまり50mのレースと200mのレースを比較すると50mのレースのほうが速いので、抵抗が大きくなります。
□断面積
断面積も影響を与えるので、泳ぐ中で断面積を小さくすること、つまり細長い姿勢をとることが重要です。
□抗力係数
抗力係数は、形つまり水中の姿勢で大きく変わります。大きな影響を与えるのは先頭の形です。
手を胴体につけた姿勢を円柱として、ストリームラインを組んだ姿勢を流線型とすると、抗力係数の違いが分かります。
ちなみに円柱は抗力係数が0.87に対して、流線型は0.04と円柱の20分の1以下です。このように姿勢が抵抗に大きく影響を与えます。
※参考
水の密度:1,000kg/㎥ 空気の密度:1.29kg/㎥ 密度 [JSME Mechanical Engineering Dictionary]
1,000÷1.29=775.2≒800倍
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